デザインを追求することとは

デザインを追求し、時代にあったアイテムを考えること、そして次の時代が求めるアイテムを模索することには終わりがありません。どのようなアイテムであれ、どのような製品であれ、けっして度外視出来ないのがそのデザインです。「モノ」として具現化した瞬間、人の目に触れるようになったその瞬間に、意図していなくても「デザイン」として認識されるものですから、考えないわけにはいかないのです。デザインを考えることは、この世の中に「人工物」を産み落とすことです。自然のものではなく、そこに「存在する」モノ、全てがデザインされています。私たちの洋服も、かばんも、靴も、普段使うアイテムのひとつひとつが、普段目にするものの全てが、デザインされたものです。それが大きいものであれ、小さいものであれ、そこにはデザイナーひとりひとりの感性と想いが込められています。デザインはとてもクリエイティブな行為です。何かを作りだすということの根幹に位置しているものです。デザインを確定するということは、そのモノがどのようにしてそこに「在る」のかを確定するということに等しいのです。デザイナーとはまさに「生みだす」ことをずっと続ける職業なのです。
「アーティスト」といわれる芸術家とは異なり、デザイナーはただそのモノが観賞されるだけではなく、身に付けたり使用されたりすることを想定していなければいけません。ただ好きなようにモノを形作るだけではいけないのです。電化製品や自動車などの機構が備わるデザインでは、その形状が性能を確定的にしてしまうことも大いにあります。全てのスペックと機能をその形の中に埋め込む行為、それがデザインです。世の中に散在する技術や開発されたばかりの技術を目に見える形で、手に取れる形で、使用できる形で私たちの元に届けるために必ず必要なことがデザインです。そのポジションがなければ、すべてのモノは利用可能なアイテムとしては存在できないのです。デザインがなければ無骨な機構がむき出しになった機械だけです。デザインとはただ外観を決めているのではありません。私たちの生活そのものを確定しているのです。
テザイナーとして必要な感性はさまざまです。デザインするアイテムの種類にもよります。ファッションデザイナーであれば、世の中のスタイルに対して敏感でなければいけません。プロダクトデザインであれば、技術に対して敏感でなければいけません。ジュエリーデザイナーであれ、広告のデザインであれ、Webサイトのデザインであれ、グラフィックのデザインであれ、時代の流れやトレンドを無視することは出来ないのです。時代はともに流れていて、常に新しいスタイル、新しい流行が生み出されては消えていきます。ずっと変わらないデザインもあれば、常に変化し続けるデザインもあるのです。そのなかで、クリエイティブを形にし、そこに具現化するという行為はとても勇気がいるものですし、とても大変なことです。デザインを追求することは決して終わりがありません。「作り続ける」という使命を負う者、それがデザイナーなのです。デザインすること自体で自分自身を表現し、また、自分自身の想いや生活提案をすることになります。そのように意義のある職業がデザイナーなのです。

 
デザインから始まる新しいスタンダードTopに戻る