UIとは何か

UIとは、「ユーザーインターフェイス」のことです。そのモノを使用する際に実際にユーザーが触って操作をする部分です。利用に際してなんらかのオペレーションが必要なモノは、このUIも商品のたいせつな要素です。それは「ボタンが大きい」など、そのような単純なことだけではないのです。操作した際の反応速度や直感的に使用できるようになっているかどうかなど、UIとして評価しなければいけない要素も多岐に渡ります。その商品を使用すると、UIを構成するひとつひとつの細かい要素が一瞬で組み合わされ、「操作性」という結果となって返ってくるのです。それは細かな積み重ねでもありますし、なにかひとつ踏み外すと成立しないものでもあります。
UIは実際に手に取って使うモノだけに存在するわけではありません。PCを通じて閲覧するWebサイトなどはUIの集合体と言えるでしょう。Webサイトは存在自体がUIです。そのWebサイトのデザインは、最もポピュラーなUI設計です。画面上に情報をどのように配置するか、どのようにして意図している画面遷移を辿ってもらうのか、WebデザインはUIを設計することと等しいのです。UIとは「見た目」で直感的に使用方法をユーザーに伝えることも重要です。Webサイトにはいちいち「説明書」などはありませんから、一目見ただけで使い方が伝わるような構成が望ましいのです。WebサイトにはWebサイトの、誰もが見慣れた使用感というものがあります。誰もが使い慣れた画面配置というものがあります。そのような暗黙のルールを踏襲する事で、ある程度の使いやすさを実現することができるのです。
これはソフトウェアを設計する際も同様です。マニュアルを詳細に記すことは大切なのですが、いちいちマニュアルをすべて読むというユーザーも少ないものです。見ただけで直感的にわかるような作りというのは機能とは直接関係ないものですが、いくら機能が優れていてもユーザーは「使いづらい」と感じた瞬間にそのソフトを「無価値」だと判断します。UIはその商品が最終的にユーザーに触れられる部分です。その部分のデザインは最終的な商品の価値を定めることになります。実際に使用してもらってはじめて価値が出る商品なのですから、UIの設計はとても重要になります。UIが優れた商品は多少スペックに劣っても愛される傾向にあります。ですから、UIに全てを賭けるといっても過言ではありません。「使いやすさ」というのはどんな優れたスペックよりも価値があるものなのです。
UIのデザインは、その製品に精通していない人が関わる方が良い成果を上げるといわれることがあります。その製品のシステムや仕組みをわかりきってしまっている人だけでUIの設計を行うと、「知っているが故」の見落としに陥ってしまう可能性が大いにあります。ですから、UIの部分の設計は開発過程の後半に据え、あえてプロジェクトに新たなスタッフを投入するということもしばしば見られます。その方が、より新鮮な目でその製品を見直すことができるからです。「馴れる」ということは怖いもので、「新鮮さ」がなくなると同時に「発見」も出来なくなってしまうのです。

 
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